チャンプの25年とこれからへの期待と希望 山本儀子

チャンプの四半世紀はまさに現会員の大多数を占めるチャンプ創設世代の壮年期でありました。仕事は現役で活動力と理想に満ちた時代です。チャンプ設立の数年前に米国首都のワシントンDCに本部を置くAARP(American Association of Retired Persons全米引退者協会)を訪ね、日本にAARP支部を創りませんかと持ち掛けました。その時「AARPは外国に支部はつくらないから、貴方達自身で創りなさい」と言われ、<他の団体がやっていないことをやることです>とアドバイスされたことをつい昨日のように思い出します。

当時の日本では引退者=シニアは社会的活動から離れて積極的な活動はもう出来ないと見做され、多くのシニア達自身もそう考えていた時代でした。この時代背景にこそ「自分の経験と知識を生かして、楽しみながら自身の向上と社会に役立つことをしよう」を目指すチャンプが生まれた基盤があります。1998年3月の正式発足に至るまでに約1年間設立メンバーと協議して、当時の日本には存在しなかった元気なシニアに照準を置いた団体づくりに到達しました。

それから25年の間、チャンプは小規模ながら自分達の経験と知識を分かち合い、まさに文字通り<楽しみながら、自身の向上と社会に役立つ活動>を実践してきたと言えましょう。これも一重に自分達の理想を信じて様々な活動に貢献して下さった会員皆様のおかげです。チャンプの今日は皆様が創り上げて下さったユニークな日本の「Mature成熟人」の団体なのです。

★これからのチャンプへの期待と希望:
人生100年時代と言われても、創設世代があとどれ位元気に生きられるかなどは判りません。しかも世界は政治・経済・自然環境など、どこを見ても良い方向に向かっていません。でも私達は決して希望を忘れてはいけないのです。希望と期待があってこそ未来は開けるからです。ここに蓼科で「自分の生活の証を残す」ために“農楽する自称田舎者”チャンプ会員から10年前に届いた詩(アメリカの詩人サムエル・ウルマンによるYOUTH青春)を再度掲載します。

人は信念と共に若く、疑惑と共に老いる、人は自信と共に若く、
恐怖と共に老いる、希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる。

私達がチャンプを設立した年齢、主に50代の「若い世代」がこれから創っていくチャンプに期待と希望を持ちましょう。彼らの新しい提案とアイディアに力を貸して素晴らしい未来を創って行きましょう! 私はこれからのチャンプにとても期待しています

チャンプ25年史 年表

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25周年会員寄稿「チャンプから得たもの・これからへの期待」

宮尾賢

私がチャンプの会員になったのは勤めていた会社を退職した翌年二〇〇一年でした。早いものでそれから二十二年が経ちました。その間、英語を共に学ぶ会、投資クラブ(既に解散)、東京探訪の会(現在、山の会と合同して散策の会)などに積極的に参加してまいりました。中でも「英語を共に学ぶ会」は発足当初から今日まで、毎月の例会に殆ど休むことなく出席しています。会社勤務時代は海外事業に携わり、仕事柄、英語を使う機会が多かったのですが、退職と同時に英語とは縁がなくなりました。ところがチャンプの英語の会に参加することで再び英語との係り結びができたのです。例会は月一回ですが、毎回、メンバーが交代で興味深いテーマを英語の資料を使ってプレゼンテーションを行い、終わると出席者が提示されたテーマについて英語でディスカッションを行いますので(時に日本語に頼ることもありますが)否応なく英語と向き合わざるを得ないのです。まして自分がリポーターとしてプレゼンを行う場合は、ある程度時間をかけて下調べも必要です。退職後の二十有余年、図らずも英語とお付合いが続いたお蔭で、毎日、ニューヨークタイムズの電子版を読み、時にはアマゾンで英語の本を購入して、英語力をアップデートすることになりました。来年三月に私は満九十歳になりますが、頭脳の老化を防ぐためにもこれからもこれは続けていきたいと考えています。でも自分一人だったら恐らくこのような学習機会を持つことは難しかったでしょう。チャンプがあればこそこれが可能になりました。他にもチャンプから得たことは多々ありますが、英語との接点を絶やすことなく学び続けられたことに感謝します。

山田信子

安斉渥子さんのご紹介でチャンプに入会させて頂いてすぐ、設立十五周年記念のイベントがあった。あの時聴いたコーラスの選曲がとても若々しくそれまで聴いていた所謂老人コーラスとは全く違って、私もそんな歌を歌ってみたいと思ったのが、私とコーラスとの関係の始まりだ。それまで歌とは無縁だった私が、曲がりなりにも歌う楽しさを覚え、人生最後の章に彩りを得たことに大変感謝している。残念ながらコロナで一時途絶えたチャンプコーラスには今は参加していないが、その間に居心地のよい地元のグループを見つけ、今も歌い続けている。チャンプで楽しんだもう一つは、山の会の主催による数々の小旅行だ。熊野古道や紅葉燃える八甲田山を、旅行社プランでなく仲間と歩けたことは、忘れられない思い出となった。私の入会前には利尻島や屋久島にも行ったと聞いている。メンバーの年齢を考えればもうそんな山歩きはできないが、温泉や名所巡りなど、まだまだ可能性はあるのではないか。もう一つ、忘れてならないのが英語の会。毎月着実に25年間続いたとは、幹事の方、参加メンバーの勤勉さがうかがえる。唯レポートを読むだけの落ちこぼれの私も、これがなかったら強いて英語を読むこともなく、社会のことに意識を向けることもなかっただろう。時には予習不足で困り、面倒だなと思いつつも、ボケ防止の為と自分に言い聞かせて、参加に努めている。総じて、色々文句をつけつつも、チャンプから得たものの多い私ではあった。

増田美智子

あっという間に四半世紀が過ぎ去りました。思い返せば,会員の皆様とは殆ど初対面、三十歳前に家庭に引っ込み家での仕事を始めた私の目には皆様が眩しくて、従いていけるかと心配でした。そんな私がチャンプから得たものは三つあります。第一は「結束力の素晴らしさ」です。チャンプ正式発足迄に準備期間が二年位あり、ご縁あって参加。そこで目にしたのは、社会の第一線でご活躍中の皆様が知恵を出し合い方向性を纏め上げてゆく作業。その見事な協力が生み出すものに私は感動しました。第二は、活動会への参加によって得た「知識と意欲」でした。私は英語をともに学ぶ会、コーラスを楽しむ会、水彩画の会の会員となり、現在は英語の会参加だけとなってはいますが、気力維持と社会勉強を可能にして頂いていて感謝に耐えません。お世話になった美香先生、岩沢先生、幹事の皆様、心から御礼申し上げます。第三は、可能な折に参加の叶った山の会、温泉同好会、都内散策会、納涼会,クリスマス会等での「皆様との交流」です。上野輝彌・田鶴子両先生に引率された福島の水族館見学は、東日本大震災前の貴重な思い出です。山登りの苦手な私は低い山・美の山参加だけでしたが,皆様に助けられやっとの頂上、素晴らしい眺望!木村隊長、お世話様でした。温泉には川崎様と佐藤様に感謝です。参加回数は少なかったですが、一泊の旅大変楽しかったです。宮尾様と安斉あつ子様には、日帰りで盛り沢山の名所旧跡見学と各地でのお食事会を楽しませて頂きました。チャンプハウス十二階ラウンジでの納涼会やクリスマス会では、中林様,松村様の御手料理を、頂くばかりの贅沢会でした。なお、十周年記念祭には湘南台のひばりの会コーラス、十五周年祭にはコーロ湘南コーラスのご協力も頂け、十二階ラウンジ利用の地元の皆様との交流の輪も広がったのでした。最後に、ネオチャンプ世代の皆々様が新時代に即したご発想で新活動を展開され発展の途を辿られますことを心より楽しみに致しております。

安江高亮

私が初めて山本代表にお目にかかったのは、一九三三年二月、泊まったラスベガスヒルトンホテルのすぐ側にあるコンベンションセンターで開催された、全米ホームビルダーズ協会主催の第四十九回年次大会の会場でした。チャンプ発足の五年前のことです。山本さんは、この大会中に行われた「日本人向け特別セミナー」を企画し、モデレーターを務めていらしたのでした。三十年前です。山本代表は今も輝いていらっしゃいますが、皆さん想像して下さい、あの時の代表はハツラツと輝いていました。壇上で仕切っている様子はとてもカッコよかったです。私は一目惚れして、セミナーが終わり次第、壇上に駆け上がり名刺交換させて頂いたものです。残念ながら、名刺交換させて頂くのが精一杯でしたが、それ以来のメール友達です。この大会は非常に大規模なもので、北米のホームビルダーとカーペンターが一同に会し、そこに外国からの見学者が加わり、会期は4日間に及ぶのですが、その高度な内容と質の高さにはド肝を抜かれました。入場料は一人百ドル以上したと思いますが、高いとは思わない内容でした。アメリカの住宅産業と市民社会との関係性について根源的な違いに気付かされた体験でした。山本さんは、日本女性のポテンシャルをアメリカ人に知らしめたと同時に日本の住宅産業の進歩に大きな貢献をされたと思います。その縁があって、二〇一八年に再会が叶いチャンプに入会させて頂き、すばらしい活動も学ばせて頂きました。その上、代表始め数名の会員さんが、私が代表を務めるNPOの会員になって下さいました。皆様との一期一会に心より感謝申し上げます。

木村勝規

光陰矢の如し。山本賢寿さんに誘われ、発起人として入会以来、CHAMPも早や二十五年ですね。山本儀子代表をはじめ運営委員の皆様には本当に感謝の気持でいっぱいです。同時に、私達もその分歳を取ったということですが、人生八十年を超えると、体力、気力、知力なども随分衰えてきました。そのためもあってでしょうか、やむを得ずの退会者も増えているようです。これは、CHAMPに限ったことではなく、私が所属している他の山の会や、ウォーキング会も同様です。亡くなられた方、体力的に無理な方、病院通いの方、そして認知症がひどくなられた方、など様々ですが、要はほとんどが加齢によるものです。若手(五十代~六十代)の参入もあって、組織的には何とか維持できていますが、やはり往年の気迫はありません。ひるがえってCHAMPはどうでしょうか。このところ、若手の加入もあり、世代交替も進みそうですが、まだまだなようです。私は、山本代表からの催促もあり、二〇〇二年に「山の会」を立ち上げ、十七年間で合計三十八か所の山々をご案内しました。が、やはり加齢による難聴や眼病で、危険を伴う山歩きの幹事は断念せざるを得なくなりました。そのため、宮尾賢さんと安斉渥子さんにお願いし、山の会を東京探訪の会とご一緒させていただくことになり、名称を「散策の会」として再スタートしたばかりです。今後のCHAMPをどのような形にしていくかは、やはり若手の加入と活躍に期待するしか方策はないものと思います。

安斉洋一

チャンプという場でも人と人とは巡り合い、つながり、物事を考えるきっかけを提供してくれている。今は退会されたが、千坂晴信さんという会員から「如何により良く生きるか」、裏返せば「如何により良く死ぬか」という生死の問題に重点を置いて幅広く学ぼうではないか、という呼び掛けがあってスピリチュアル懇談会(略称スピ懇)が二〇一二年十月に有志八名で発足し私も加わった。スピ懇は懇談会の開催の他に、ホスピスや回教寺院、諏訪大社、佐渡島訪問、映画鑑賞などの活動を重ね、二十人位までの参加者を得て二〇二〇年二月頃まで存続し解散した。千坂さんはいわゆる臨死体験をお持ちの方で、常々「死ぬときはじたばたしたくない」とおっしゃっています。医者の日野原重明氏(二〇一七年没百五歳)は「人間は弱い。死ぬのは僕も怖いです」と語っていた。仏教学者の中村元氏(一九九九年没八十六歳)は「死んですべてが消えるということも考えられますが、消えるという確実な根拠は何もない」「霊魂があるのかどうかを客観的に証拠立てることは出来ません」「我々の感覚・思考・経験を超えた領域というものがあって、我々の生死はそれに支配されていると考えられる」「死ぬまでにどういう気持ちを持つかということは各人の問題です」と述べている。死生観は人によってさまざまだが、死んだことのない私には死とは何かは良く分かりません。人間も生き物である以上必ずいつかは死ぬことだけは分かっている。命は次の世代へつながっていく。前世や死後の世界があるのかどうかも私には分からない。輪廻転生とか生まれ変わるという感覚もピンとこない。死ぬ時が来たら死ぬだけの話しで今を懸命に生きるしかないと私は思っている。

高橋嗣雄

一九九八年十一月二十九日に経団連会館でチャンプの発足総会があり、これが私のチャンプデビューでした。当時五十七歳で髪もふさふさで、あれから二十五年たち現在八十二歳です。思い起こせば色々な体験をさせてもらい、十年前に他界した妻も色々な催しに参加させてもらいました。当初のチャンプの年齢層は大半の人が五十代~六十代だったろうと思われます。二十五年たった現在五十・六十代は十%しかおらず会員分布の最大層は八十代で七十・八十・九十歳が九十%を占めています。入会退会による人の入れ替えは常にありますが、ここ七年間の実績では入会一に対し退会は二強になっています。これでは会員が減る一方になってしまいますので会員増強策を必死に取り組んでいるところです。しかしながらこれはチャンプに限ったことではなく社会全体が大きく変わってしまった為だと私には思えてなりません。世間的には少子高齢化、DXの進展、GXへの取り組み、失われた三十年等々限がない位指摘されています。例えば二十五年位前の通勤電車内では大半の人が新聞・雑誌・本を読んでいましたが今では殆どの人がスマホを見ています。まさにデジタル化の結果といえるでしょう。人々の行動も集団行動から個人行動に志向が変わってしまい例えば地域の町会・自治会でも加入率の低下と役員の後継者不足に悩み、存続の危機に瀕しているところも少なからずと言うのが実態と思われます。チャンプについて言えば若い層の会員を増強し将来のチャンプを託せたら理想ですが、前述の電車内のようにスマホは止めて新聞・雑誌・本を読みましょうという位実現は困難なことのように思われます。私としては地味過ぎるかもしれませんが現存の活動会の忠実な実行と全体行事;例会・納涼祭・忘年会をより魅力あるものにするにはどうすればよいかに的を絞って、若い人の加入が得られたらもっけの幸いと捉える位でよいのではないかと思います。

神田順

チャンプという団体を知らされて、「そういうのありだな」と思って参加した。当初「本音で語る会」を立ち上げて、しばらく集まっては語りっぱなしではあったが、いろいろ語れて面白かった。団塊の世代としては、子どもの頃から自分たちでいろいろ切り開いてきたという意識は強かったが、次の世代にどう繋ぐかということを十分やってこなかった、というようなことを言ったのを覚えている。当時は、まだ現役であったが、退職して年金生活になっても、その自分がまた新しい社会の一部を構成するわけで、そんな仲間の話せる場があるのは、楽しいことである。残念ながら、二〇〇三年に、建築制度の問題意識から、建築基本法制定の運動を始め、そちらに力を注ぐことになって、本音の会も閉じ、チャンプへの参加度が減った。さらに、二〇一五年からは、震災復興で釜石市唐丹(とうに)のまちづくり会社を立ち上げたこともあり、さらにチャンプが遠くなったのが現状ではある。チャンプがこれからどうしていくかを考えるときに、人間がひと仕事を終えて、これからどうすると思ったときに、新たな活動の場を持つことは、とても意味あることだ。小さなことでも何か一緒にやりたいと思うことを、やれる場を大事にしていけたら良い。今度は、それがさらに世代として繋がって行くには、仲間として楽しめること以外ないだろう。チャンプへの関わりが、生活の中で大きい人は、仲間を増やすことにもつながりやすいが、小さい人でもときどき繋がりを楽しめるとすれば、チャンプは続く。チャンプを挙げての運動みたいなことが、時にあると良いかもしれない。年寄が暮らしやすい社会になるためにも。

手島達夫

チャンプに参加する前の自分の世界と、参加後の異業種の皆さんの世界の発想と思考方法がかなり違っていて、世の中の見方が広くなり、毎回面白く、何か自分の世界が広くなった感じを得ました。新聞の読む記事内容も変わり、TVの報道内容の注目内容も変わってきました。もっと早く四十代・五十代の内からチャンプの会があって、参加出来ていたら、かなり面白い人生を組み立てていたのではと思われます。会社人間で、生産活動の中で、もっと面白い商品を出せたのではと思うのです。そんな意味からも、若い世代が参加できる入会方法が必要で、若い世代は忙しく、参加できないと思いこまず門戸を広げたいものです。山登りの会で関東周辺の山に登り、世界遺産の地も訪れた経験と記録はチャンプに参加していたから出来たことです。友人から羨ましがられています。投資クラブでは、解散時には大幅な減額になりましたが、投資の基礎は皆さんから沢山情報と刺激をもらい、自分なりに会得し、今ではしっかり稼げる状況で、毎日の経済情報に注意を払う毎日を送っています。年間資産増加は昨年を除き、上昇基調で、今後も十%以上を稼げる自信となっています。働く世代の減少、女性の社会参加の増大、経済活動は世界規模の関連性の上に立ち、政情不安や、解決がむつかしい移民問題がある世界で、日本はもっと積極的に受け入れの窓口を広げるべきと思っています。私の孫は帰国子女で、英語生活者ゆえ、日本の同級生とのコミュニケーションが広げられず、日本の友達の輪が狭く、参加に苦労しています。移民受け入れの出発点は日本の優しいコミュニケーションです。会話の輪を広げるために、小さな会話サークルを作ってはいかがでしょうか?具体的提案になりませんが、願望です。

西村英子

チャンプに参加してから十三年近くが経ち、会員の皆様との交流に感謝している。関西在住が長かったので、東京探訪の会に参加して、足利フラワーパークや、寅さんの柴又などを楽しんだ。またコーラス部のルーテル教会での熱唱には感激した。私はグループ活動では、「英語を共に学ぶ会」で毎月一度のZOOMによる例会に出席するよう努めている。レポーターの順番が回ってくると、テーマを決めて英語の資料を準備するのに苦労している。宮尾賢さんをはじめメンバーの人達は、豊富な経験と知識で、色々な分野で話題になっている情報を元に配信してくださるので、視野が広がり刺激になる。最近のテーマには、ハワイの大火災やニューヨークシティの洪水、大谷翔平選手への現地記者の評価などがあり、興味深かった。チャンプの会員の活力と多彩な能力で、多世代が交流し支え合いながら暮らせる社会を実現したい。山本儀子代表をはじめ委員の皆様の活躍にお礼を申し上げる。人生百年と言われる日本の社会では、歳を重ねると身体や環境の変化についていくのに苦労する。私は今年の春から腰痛、骨折、入院、手術と、体調が目まぐるしく変化した。杖をついて歩けるまで回復したが、一人での遠出は無理なので、チャンプの記念行事にも残念ながら参加できない。ニュースレターで皆様の活動を拝見するのを楽しみにしている。日常生活では、近くに住む娘に見守られ感謝している。また孫や曾孫が顔を見せてくれると、幸せで活力がわいてくる。平和な日常が続きますように!

第89回例会報告 中林由行

日時:9月17日(日) 10:00~12:00
会場:港区立生涯学習センター303号室
参加者:会場出席者14名・ZOOM参加者9名

●開会挨拶 安斉運営委員長

●「アメリカよもやま話」山本儀子代表 (内容は下記参照)

●会員スピーチ

「日本文化の継承について」野村一郎

約10年前にチャンプで「日本文化を語る会」を松村さん(今年6月に逝去)と一緒に立ち上げました。きっかけは山の会の八甲田山ツアーでした。素晴らしい紅葉の山を歩いている時に時雨が降ってきて霞がかかったようになったのですがそれを見て松村さんが「これこそ能が表現する日本の原風景だよ」と言って突然謡いだしたのが「紅葉狩り」という能の名曲でした。それまで能に関心はあっても特にかかわりの無い私でしたが、松村さんの説明を聞いているうちに心に響くものがありました。その後誘われて喜多流の能の教室に通うようになり、能を通じて「日本文化の良さとは何か、それを後世に伝えてゆくにはどうするか」ということを考えました。松村さんといろいろ相談をして、若い人達に継承してゆくためにも活動を起こそうということで「日本文化を語る会」ができたのです。会ではこれまで能を観賞する会などを数回開催していますが、能は日本人の伝統的な心情や美意識から生まれており大変深いものがあるのです。もちろん他の伝統文化の継承もやりたいのですが若い世代との交流の機会をどのようにして作っていくかで苦労しています。(以上概要)

●チャンプ25周年イベントの説明山本儀子
11月17日に予定されているイベントのプログラム案を説明。

●次世代チャンプへの提案:Discordの活用湯浅信吾

これまでのチャンプの交流はリアルに集まることが中心で最近はZOOMも併用されているが、今後の若い世代を会員としてゆくためにはオンラインの交流を中心として行くことが望まれます。その手段としてDiscord(ディスコード)というアプリが有効と思われるので簡単に紹介したいと思います。これを使えば①チャット(画面での文字会話)が楽②音声・ビデオ通話が楽③画面で情報の公開・ファイルのやり取りができる。③パソコンでもスマホでも使える、といったメリットがあります。基本契約は無料、高度な利用は有料。チャンプではとりあえず基本で大丈夫でしょう。(その後ディスコードのインストール方法、参加方法などの説明有り)。詳しくは別の機会をつくりたいと思いますが今後のひとつの手法として提案します。一応チャンプの場をディスコード中に設置していますのでできる方は参加を試してください。

●活動会報告
次回の「チャンプ散策の会」の予定など。

関西支部9月例会報告 岡田 優

日時:2023年9月26日(火) 12;30~15:00
場所:大阪本町味吉兆「ぶんぶ庵」
参加者:山本代表、木下支部長、浅野様、沖様、加納様、北沢様、辻様、長田様、藤原様、増井様、岡田(以上、概五十音順11名)
配布資料:・2023年9月アメリカよもやま話(2頁)

・チャンプ設立25周年記念イベントプログラム9/20版
今回は大阪にて、6月の京都例会に続いて昼食会での開催でした。皆さん三々五々定刻通りに集まって頂き、木下支部長の開会のご挨拶の後、予定通り初めに「アメリカよもやま話」を代表から30分、その後、食事をしながら参加者各々の近況報告や25周年記念イベントの詳細プログラム説明などとなりました。アメリカよもやま話の内容は、他のページ(本号16P)に譲りますが、話題の中心は米国のインフレ物価高と賃金との関係でしょうか。コロナ禍やウクライナ‐ロシア問題の影響も大きく、米国と日本との間の、(いや日本と欧米諸国との)賃金格差問題といってもよいかもしれません。その日本国内でも大きな賃金格差がありアメリカのよもやま話と言ってもいられない状況かと感じました。6月以降7~8月と猛暑が続き大変な思いをしましたが、そんな中でもコロナ禍がひと段落して皆さん富士登山、ゴルフ、釣り、海外旅行、そして木下さんの「子ども食堂」も漸く解禁となって「孟宗竹を割っての流し樋作りからの本格的そうめん流し」を行うなど、活発に活動されているようでした。斯くいう私はといえば、この歳で初孫の里帰り出産に立ち会い、赤子の面倒看も手伝うという嬉しいながらもてんてこ舞の日々でした(汗)。秋分を迎え一挙に秋の気配がやってきて、インフルエンザの流行の兆しはあるものの芸術の秋、スポーツの秋、行楽の秋、読書の秋、そしてイベントの秋!多くの絵画展への出品計画や本の執筆、温泉旅行、そしてCHAMP設立25周年記念イベントのみならず、同窓会や各種の活動も周年記念のイベントなどが目白押しで、皆さん忙しい秋になりそうです。メンバーの各近況報告を受けて、ワイのワイのとそれぞれに話題が盛り上がり、あっという間に2時間が経過、次回を兵庫芦屋のベリーニで12月19~20日と仮設定し、最後に全員写真を撮ってお開きとなりました。終了後近くの喫茶店で、CHAMP25周年記念イベントへの参加者らだけが集まり、当日の詳細打合せを行って解散しました。(記岡田優)

 

チャンプ納涼会報告 中林由行

日時:8月24日(木)12:00~15:00
会場:チャンプ本部(日高市横手)
参加者:会員18名・近隣住民5名

新チャンプ本部で初めての納涼会が開かれた。大部分の会員は西武池袋から10:30発の特急ちちぶ11号で飯能駅着、バスで横手の本部へ到着。料理はケータリングを中心に前夜から泊りがけの安斉渥子さん、中村峯子さんが準備したおつまみや山本代表の海老料理などで豊富だった。早速乾杯し会食・懇談で盛り上がり、招待された近隣住民とも話がはずんだ。若い新会員田邉直子さんの自己紹介、近隣のピアニストの演奏などもありあっという間の3時間でお開きとなった。またバスで飯能駅に戻り解散した。山本さん、安斉さん、中村さん、お世話になりました。(添付写真:左は新会員・田邉直子さんを紹介、右は本部前での全員)(中林記)

アメリカよもやま話 山本儀子

(本稿は9月17日チャンプ例会、9月26日関西支部例会での講演原稿です)

1. 2024年大統領選挙:
目下のところBiden大統領(民主党)と前大統領Trump氏の一騎打ちが予測される。現時点では両氏の支持率は拮抗しているが、Biden大統領が劣勢とみられる。その理由は自身の高齢化(現在81才で、2期目は82~85才)による心身両面の減退と息子Hunterのスキャンダル、直近の下院共和党による弾劾提訴です。一方Trump氏は、数々の刑事訴訟を抱えているが、どんな訴訟を受けてもTrump氏の言い分を信じる支持者が多いため(トランプ信仰者)、共和党の指名を受けたら出馬した場合Biden氏に打ち勝つという見通しだ。アメリカ庶民の良識が試される時でしょう。

副大統領のKamala Harrisは人気が低く、もし同氏がBiden任期中に大統領になるようなことになれば、大統領選でTrump氏に勝つことはないと予測されています。新たな民主党大統領候補としては、Robert F. Kennedy Jr.(69才)と2019年からカリフォルニア知事のGavin Newsom(55才)が浮上してきています。Real Clear Politics:8/24~9/18付Biden 44.6% Trump 45.1%失業率8/23付3.80% 7月3.50% 前年同月比3.70% 長期平均率5.71%

★9/14付けのNew York Times紙の報道によると、共和党の中堅派でトランプ氏の再選に反対したユタ州の上院議員Mitt Romney氏(76才)が2024年上院選には出馬しないと発表しました。注目される点は、主な理由として自分自身の高齢化も述べて(すぐに80代になる)、アメリカの未来は次世代に譲るべきであるーBiden大統領とTrump氏も自身のことではなく、アメリカの将来のために若い候補者にリーダーの地位を譲ることを強く薦めていることです。Romney氏は近年の共和党が、極右に偏りTrump支持者が影響力を増していることを指摘し警告しています。

山本の私見=私は昔からRomney氏の共和党中堅派で良識ある論点には共鳴していましたので、今回同氏が出した2024年の不出馬宣言を残念に思っています。

2. インフレとコロナ禍:
最近の円安に伴い、アメリカへの旅行者から同国のインフレが激しいことを耳にします。2023年8月時のCPI消費者物価指数インフレ率は3.7%(7月3.2%、前年同月は8.52%)。収まりかけたインフレ率は主にガソリン価格の上昇で再度上昇。2012年以来、FRB(連邦準備制度理事会)はインフレ率2%を経済の目標としており、インフレが2%範囲内でないと金融政策を変える可能性を指摘して来ました。Biden氏が大統領に就任した2021年1月時のインフレ率は1.4%、2022年1月7.5%,2023年1月6.4%で、現在はかなりインフレが抑制されているとは言え、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻が起因となった戦争の継続によってエネルギーを始めとするインフレの影響大です。ウクライナ戦争に加えて、2020年来のコロナ禍も様々な影響を与えています。例えば、サンフランシスコ市のオフィス空室率は30%(8月25.6%)に近いと伝えられ、低空室率を誇った面影がありません。コロナ禍で在宅勤務が定着した影響の一つです。

最近ハンバーガーが10ドルしたと耳にしませんか? 但し賃金は上がっています。

★賃金情報:アメリカにおける年収は近年どれくらいあるのでしょうか?
平均値よりも中間値=Medianがより正確であると認識されている:米国統計局によると、2022年の中間世帯年収は$74,580($1=130円として約970万円)であった。個人年収は職種と地域により異なるが、個人は約$70,000~$100,000($1=140円とすると980万~1,400万円)、世帯年収は$100,000~$150,000(1,400~2,100万円)。日本:1/23/2023付の2021年正規社員平均年収443万円→ $1=114円として約$38,860(2020年433万円=2.4%増、$1 = 105円として$41,238) 但し、2021年の非正規社員の平均年収は197万円=$18,762でした。【国税庁「2021年民間給与実態統計調査】

余談です:
3. 警戒すべき世界的経済情勢:
9/12(火)付け日経新聞Page3の「世界企業利払い負担最大」という記事をお読みになりましたでしょうか? 副見出しは、<リーマン15年有利子負債2倍の1900兆円>というものです。世界の7700社の有利子負債残高は」リーマンショック後に比べて2倍弱に膨らんでいるとことです。リーマンショックは低所得者で返済能力が低い人達に住宅ローン(サブプライムローン)を融資して、その証券を世界の金融市場で販売し不良債権が焦げ付いた結果引き起こされた金融危機でした。低金利で借り入れが拡大し、返済不可で倒産した企業も多く出ました。その繰り返しが懸念される昨今です。日経紙は“足元の金利上昇の影響が顕在化し、支払いが滞る債務不履行(デフォルト)も広がる”と予告しています。以下私見ですが、そもそもゼロ金利・マイナス金利なるものはおかしいと思いませんか? 個人的には日本の低金利政策は危険であると、金融素人ながら心配します。

活動会報告

1.英語を共に学ぶ会
10月28日に第260回をZoomで開催、レポーターは新井将史会員、参加者は12名。毎月1回開催中(詳細はHP参照) (幹事:高橋嗣雄)

2.健康と栄養を考える会
10月に第180回を開催、毎月1回、港区生涯学習センターで開催中。(幹事:原田規義)

3.チャンプ・LINEの会
常時自由なトーク交換が行われています。(幹事:手島達夫)

4.チャンプ・散策の会
第3回を11月29日(水)「神代植物公園散策」を予定しています。

5.コーラスを楽しむ会
11月17日の25周年イベントをめざして月2回の特訓中。毎月第2金曜日の10:00~12:00に開催します。(幹事:中林由行)

6.スケッチ散策会(関西)
例会等と連動して開催を企画中

7.ゴルフ愛好会
次回を11月に開催企画中。(幹事:森田宏次)

・以下は現在休止中です。

8.日本文化を語る会

9.水彩画教室 

10.海外を見てみる会

次回例会案内

■チャンプ次回例会の予告

例年年末には総会・忘年会を開催しますが今年は25周年イベントがありますので年内の集会は中止とします。来年2月頃に「チャンプ早春の集い」のような形で総会兼例会を企画したいと思います。詳細が決まりましたらメール等でお知らせしますのでよろしくお願いします。

山本儀子・安斉洋一

■関西チャンプ例会予定

日時:12月20日(水)17 : 30 ~
会場:芦屋「リストランテベリーニ」

編集後記

このニュースレターの百号を「チャンプ設立二十五周年イベント」に合わせて「二十五周年特集号」として編集しました。二十五年史をまとめてみて、チャンプという団体とその活動の素晴らしさに改めて感銘を受けました。立ち上げた人達もあっぱれ、集まった仲間たちもあっぱれ、正にシニアライフのロールモデルといえるでしょう。これを若い世代に引き継いでゆけるのかがこれからの大きな課題です。次世代ではⅠTを活用したオンラインコミュニティが中心になるかもしれませんが、我々第一世代は歳をとるほどリアルな集まりを必要とするのではないでしょうか。チャンプの大きな役割は会員のために「キョウイクとキョウヨウ」の場を創り出すことにもあると言えるでしょう。(中林記)