日 時:2021年9月25日(土)10:00~12:00
場 所:各自宅
方 式:ZOOM
ZOOMホスト:宮尾 賢さん
レポーター :宮尾 賢さん
テ ー マ :アメリカの敗退
配布資料:① For America, and Afghanistan, the Post-9/11 Era Ends Painfully
② History Is Clear. America’s Military Is Too Big.
③ Biden Could Still Be Proved Right in Afghanistan
④ アフガン失われた20年 「軍事力頼みの國造り 米の幻想」
出 席 者 :11名 (男7名、女4名)
欠 席 者 :5名 出席予定が体調で欠席1名、渡米2名、当初から欠席連絡2名
概 要
レポーターのリードで資料①と②を輪読し、③も輪読予定のところ予想外に参加者の発言が多く時間の関係でできませんでした。④は朝日新聞が特集した米国撤退に関する軍事・国際問題・歴史の専門家である米ボストン大学名誉教授のコメント記事で、各自の基礎情報資料として配布されたもので当日は使いませんでした。
①はアメリカがアフガニスタンに20年間駐留して米兵2,400人の犠牲と1兆ドルの膨大な戦費を費やしての撤退について包括的に分析した論説で、撤退を支持する見方と今急にすべきでなかったとする意見、そもそもアフガニスタンへの派兵は判断ミスだった等の客観的評価を論じていました。これら見解の主なものは、この20年で世界情勢が大きく変わり、中国が圧倒的に強大になってきてアメリカがとるべき戦略の優先順位が転曲点に来て中国対応に大きく舵を切らねばならなくなったこと、アメリカが世界の警察官としてあちこちの紛争解決に大金を叩いて派兵し、しかも感謝もされずなら国内にやるべき問題が山積せている、アメリカ流価値観で民主主義を他国に押し付けようとしても、現地の宗教や、民族主義、政治勢力、自立意欲の状況等を斟酌して望まないと失敗を繰り返す、急激なアメリの撤退は無責任で、タリバンによる女性をはじめ人民への弾圧を抑える軍は残すべきだった等々です。それぞれのポイントごとに参加者の発言が相次ぎ、日本語での発言も少なからずありました。
②はアフガニスタンのみならず、アメリカが派兵したものを総括しています。第二次世界大戦で敗戦国の日本とドイツが戦後に見事に発展した成功例を引き合いに、その後のアメリカが派兵した戦争は失敗かあるいは成功とはいえないものの連続であったと論じています。それらの陰には旧ソ連から現ロシア、中国の存在があり、朝鮮戦争、ベトナム戦争、レバノン派兵、湾岸戦争、イラク戦争、アフガニスタン派兵と続き、いずれも膨大な軍事費と多くの米兵犠牲者を出しても明確な勝利は得られず、実質上敗戦での撤退が続きました。これらは唯一の超大国アメリカの傲慢さと、アメリカ流民主主義至上主義の押し付けがうまく行かず、米国内で軍事の更なる増強論もあるが、今こそ軍のあり方を見直し、世界平和下での軍の縮小を目指すべきと論じています。