日 時 :2021年10月23日(土) 10:00~12:20
場 所:各自宅
方 式:ZOOM
ZOOM HOST:宮尾 賢さん
レポーター :戸邉正博さん
テ ー マ :The Longer Telegram ~ To Counter China’s Rise, the U.S. Should Focus on Xi
参考資料添付:・the Changing China Debate
・How America Can Shore Up Asian Order
参 加 者 :13名 (男:7名、女:6名)
概要
過去の米国歴代政権が取ってきた対中国外交戦略(封じ込め政策、関与政策、戦略的競争政策)を総括し、バイデン政権以降米国が採るべき新たな対中国戦略を論じた論文を取り上げ、日本を取り巻く国際環境を考える材料としました。
テーマの記事はA4判で13ページの米中関係を論じたもので、参加者名でアルファベット順に輪読し、サブ・テーマごとに一人で輪読した後、レポーターが英語でコメントして進めましたが、専門用語や微妙な表現で溢れていたこともあって、参加者からの意見等の発言は少なく主に読解中心の進め方になりました。もとは80ページの論文を13ページに要約したものだそうで、米中関係が世界中を巻き込んだ複雑な状況を論じています。その主な論点を挙げると次のようなものがあります。
・かつての米ソ冷戦時代はイデオロギーと軍事力を巡るものであったが、現在の米中対立は軍事力のほかの要素(経済・社会・環境等)と複雑に絡み敵対関係と言うより競争関係と同時に協力関係の両側面からの戦略構築が必要である。・中国は習近平の時代になって、鄧小平・江沢民・胡錦涛の前任者達が現状維持勢力であったのに対し、世界の国際関係を中国を中心軸として変革しようとする修正主義勢力として、アメリカのみならず同盟国・友好国を含めたすべての民主主義世界陣営に挑戦するようになってきている。・習近平は独裁色を益々強め、忠誠を示さない者は命の危険にさらされる心配がある。・アメリカは、習近平政権の権力構造に内在する内部矛盾に注目し、習近平孤立化策の視点が重要である。・中国の一帯一路政策、インド太平洋、東シナ海・南シナ海の国際的に確定している海域の勝手な拡大主張、人工島の埋めて造成による領土主張をする地域での頻繁な軍事演習の実施での既成事実化の狙いが透けて見える。・経済面ではアメリカ自身も中国は重要な貿易相手国であり、同盟国・友好国でも三分の二の国は中国が最大の貿易相手国となっている。この関係を考慮に入れた戦略構築が必要。・中国は最早アメリカ一国では対処しきれない存在となっており、同盟国・友好国と緊密に連携し、その協力なしには対抗できない。
以上のように一筋縄で論じきれない米中関係について輪読しましたが、通常12時で終わるところ、日本語での討論で時間延長し12時20分まで活発な議論のやり取りがありました。