日 時:2021年12月25日 10:00~12:00
場 所:各自宅
ZOOM HOST:宮尾 賢さん
レポーター:新井将史さん
テ ー マ:アメリカ人以外によるアメリカ外交の評価
輪読資料1:US democracy crumbles as money swamps Politics: Singapore’s Mahbubani
輪読資料2:Is Biden normalizing Trump’s foreign policy?
参 加 者 :11名(男:6名、女:5名)
概 要 :
輪読資料1はシンガポールの外交に33年間携わり同国の国連大使及び国連安全保障会議の長も務めたKishore Mahbubani氏に日経記者のDylan Loh氏がインタビューしたものです。要約するとアメリカ政治が特にトランプ政権誕生からバイデン政権になってもすっかり金権政治になってしまった、「人民の人民による人民のための・・・」を捩って「1%の1%&による1%のための政府」になってしまったと嘆いています。金がものを言う政治が助長され富める者は更に裕福に、貧しいものは更に貧しくの状態になっている。富裕層に対する課税強化策もできていない。アメリカで貧富の差が拡大されている一方で、日本を引き合いに出し、先新G7においても日本が低所得層50%に対する対応も優れ最も公平な国として、また同様にスカンジナビア諸国も国民にとって公平で幸福な国々としてアメリカは見習うべきと言っています。この資料とは別に、Mahbubani氏がハーバード・ケネディースクールでの講演と質疑応答のYou Tubeを配信し各自の自由視聴資料としました。
輪読資料2はインド出身でジャーナリスト・国際問題評論家でハーバード大学で博士号所得のFareed Zakaria氏の論説で、バイデン大統領が就任後の8か月の施策を見ると、意外にも前トランプのかなり多くの政策を引き継いでおり、逆にオバマ政権時の施策を否定していることもある指摘しています。例えばアフガニスタンからの米軍の撤退、ワクチンや旅行制限の基にいある「アメリカ 第一主義、オバマが苦労してまとめたTPPからトランプが離脱したのを棚上げにしていること、イランとの核拡散防止協定からの一方的離脱をバイデンは復帰できないばかりか、制裁をトランプ以上に強化している等々、表面的にはトランプ批判を行っているものの、その実においてはトランプ政策を継承していて、益々アメリカ保護主義になっていると指摘しています。Zakaria氏についてもこの輪読資料とは別に各自の自由視聴資料としてYou Tubeでの講演(中国がアメリカを抜いて1位になったら)を配信しました。
今回の例会では輪読の都度レポーターが補足説明し、更に参加者から発言が相次ぎ大変盛り上がった会となりました。