チャンプ20周年記念のテーマ「災害を生き抜く」を主軸にした坂茂氏講演会は、チャンプ会員尽力のお陰で500名収容の藤原記念ホールがほぼ満席の参加者を迎えて開催されました。思えば40年前にロサンゼルスのSCI-Arcに留学された坂さんと出会い、坂さんが世界に名だたる大建築家となったことは感無量です。1995年阪神大震災の被災地救済活動に始まり、世界各地で仮設住宅建設などボランティア活動を続ける坂さんの姿勢には胸を打たれます。私たちも坂さんに負けず、助け合いと自立の社会を築くよう頑張りましょう。
(チャンプ代表 山本儀子)
坂 茂氏は国際的に活躍されている建築家で、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞され、最近では幅広い社会貢献活動に対しマザーテレサ賞も受賞されています。
2018年5月21日(月)、慶應義塾大学日吉キャンパスにある協生館藤原洋記念ホールで、「KEIO Architecture(SFC、理工学部合同の空間デザイン教育プログラム)」のキックオフのミーティングに引き続いて、「作品づくりと社会貢献の両立」と題して坂さんが講演を行いました。
当日、定員500名の藤原記念ホールはほぼ満員の盛況でした。慶應義塾関係者に加えてチャンプからは会員、家族そのほか関係者が150名以上聴講しました。
坂さんはスライドを使いながら約一時間半にわたって、これまでに自分が設計された作品を紹介されました。特に後半では、世界各地で起こった自然災害の被害者ができるだけプライバシーが保てるような仮設の住居を提供するために積極的に取り組む活動を紹介されました。日本国内はもとより、アフリカのルワンダ、ネパールのカトマンズなど世界各地の被災地を精力的に飛び回る坂さんの行動力に全員が大きな感銘を受けました。
講演終了後、活発な質疑応答が行われましたが、その中で、建築はまず機能や目的を満たすことが第一で、デザインはその後からついてくるもの、という坂さんのご意見が印象に残りました。