日    時:2023年12月23日(土)10:00~12:00
場    所:各自宅
方    式:ZOOM
ZOOM HOST:宮尾 賢さん
レポーター :小林志郎さん
テ ー マ :地球温暖化防止対策
資    料:
①炭素国境調整措置(CBAM:Carbon Border Adjustment Mechanism)
②EUのCBAM政策に対する中国の鉄鋼輸出対応
③EUへの中国電気自動車(EV)大量輸出に対するEUの対応
④バイデン政権による米国内7か所の水素生産拠点構想
⑤COP28の議長国(UAE)の開催に当たっての所信表明演説
出    席:7名(男:4名、女3名)
概    要:

レポーター

今回はCOP28(気候変動枠組条約締約国会議28)の直後ということもあり、地球温暖化防止対策に関連するものとして上記5点の記事を事前配布し、当日は⑤と①を輪読し、他は参考資料としました。なお、資料の①以外は英文の表題が長いため、意訳した日本語表題のみで英文表題は省略しました。⑤はUAEのドバイで開催されたCOP28(2023.11.30~12.13)の議長国代表の開会挨拶で、今までのCOPで進めてきたことを総括した上で、今回のCOP28でより意欲的な合意が得られるよう切々と訴えていました。産油国であるUAEにも拘らず脱化石燃料の重要性を強調していた演説で、真剣さが窺えました。まず各国が意欲的なNDC;Nationally Determined Contributions(各国が決定する貢献)を訴え、この演説後の結果としては会期を1日延長して2050年までに化石燃料を再生可能エネルギーに転換して行くことが合意できました。ただし「削減」という文言は入れられませんでした。次に訴えたことはGST:Global Stocktake(各国の取り組みと達成度の評価)で2年ごとの実績報告に基づき5年毎に評価されることが合意されました。3点目に訴えられたことは、温暖化防止対策はとりわけ後進国に損失と損害をもたらすことから基金を設立し援助する仕組みが必要であるという点で、これはCOP28開幕早々に合意に達しました。
次に輪読した①はEUが主張しているCBAM:Carbon Border Adjustment Mechanism(炭素国境調整措置)で、これは脱酸素対策の進んでいる国と遅れている国では、炭素排出規制の強弱があり、規制の強い国はその分だけ対策費用が製造コストに加算されることになり、規制の緩い国に製造が流出してしまう、これを”Carbon Leakage”と称してその分を輸入時の税関で課税するというものです。これは実施はまだですがEUが一方的に進めているもので、排出炭素量の計測方法の問題、WTOの通商上の問題、ETS(排出炭素量取引制度)の問題等解決を要する課題が多々ありEUとしても段階的な取り組みが求められているようです。

参加者s